知らなきゃ危険!プロ(車屋)から学ぶ「買わせる」7つの心理テクニック

車(新車)を購入したことがありますか?

あまり知られていませんが、車の販売は、芸術的ともいえる戦略が駆使されています。
洗練されたCMや新聞、雑誌広告で人々を魅了し、緻密なまでに計算されつくされた細かな心理テクニックで車屋(ディーラー)がお客に「買わせる」。

車は18歳の若者から、仕事バリバリのサラリーマン、60歳越えの老人まで、多種多様な人たちを販売戦略のターゲットとしていますが、高額商品の中で、ここまで幅広いターゲットに買わせ続けているって、すごいです。

この一連の販売プロセスは、日本を代表する大企業が何十年にもわたって取得してきた「買わせる」データをエリート中のエリート達が、戦略として練り上げた最高の「買わせるシステム」だと思います。

※ちなみに当記事で「売る」ではなく「買わせる」と書いているのは、以下の違いです。
 ・「売る」は、営業マンが売る
 ・「買わせる」は、お客から買うと言わせる


今回は、売れない時代に「買わせる」心理テクニックを車屋(ディーラー)から、学んでみたいと思います。

 


 

●物をあげる

人は、相手から何かをもらったら、お返ししたいという欲求があります。
(返報性の規範)

車屋に来店しただけで、記念品やプレゼントをもらうことができますが、これは返報を期待した、心理テクニックです。

もらったほうは、何か返さないといけないという義務感が芽生え、これを果たせない場合、罪悪感を感じてしまいます。
そして、なんとかプラスマイナス=ゼロにして、その罪悪感から逃れたいという心理が働きます。

しかし、車屋へのお返しは「車を買うこと」以外無いのです。

 


 

●選ぶグレードは決められている

人は、比較しづらいものを選ぶとき、とりあえず真ん中を選ぶ傾向があります。

同一車種の中にも「高い」「普通」「安い」のグレードがありますが、
大多数の人は「普通」を選ぶのでははいでしょうか。

このグレードは、オプション品の有無によって変わってくるのですが、「イモビライザー」「DSC」「3ゾーン対応フルオートエアコン」などなど、理解できないオプションばかりで、どのグレードがいいのか一般人には、よくわかりません。
(買ってからでも、よくわからないと思います)

このように比較しづらいものを判断するとき、人はストレスを感じるため、無難な真ん中を選ぶ傾向が高いのです。

 


 

●試乗させる

人は、自分の所有するものに高い価値を感じ、手放したくないと感じます。
(保有効果)

車屋に行くと「試乗だけでもどうぞ」と勧められますが、これは車の良さをお客に伝える以上に、「保有効果」を狙った心理テクニックです。

試乗前は車が他人のものだと分かっていても、試乗することで車が自分のものになったと脳が錯覚してしまいます。
そのため、もし買わなければ、車を「失ってしまう」という、人がもっとも避けたい「損失」という感情が芽生えてしまうのです。

まだ買ってもいないのに、買った気にさせてしまう、単純なようで効果の高い心理テクニックです。
(通販などの「お試し」も保有効果で成果をあげている)

 


 

●複雑なキャンペーン

人は、最初に印象に残った値段が、その後の購入判断に影響を及ぼします。
簡単にいうと「その人が考える値段の基準」です。
(アンカリング効果)

車を買おうと思った人は、車雑誌に書かれている「この車種は30万値引きを目指す」を見て、その言葉どおり30万円の値引きを目指します。
(30万という金額が基準となることを「アンカリングされる」という)

ただ、この「30万」という金額は、お客に「安く買えた」と満足を与えることができ、なおかつ車屋も儲かるという、車屋がウハウハな金額でした。
(車雑誌の広告主は車屋のため、書かれる値引き額は思いどおり)

しかし、インターネット時代の到来により「50万値引きしてもらった!」「80万値引きできた!」など、例外的な値引き情報が、出回るようになりました。

この例外的というのは「訳あり車」など、通常ではありえない「例外」的な金額のことです。
しかし、インターネットで「80万値引き」を見た人は「例外」などお構いなしに「80万」という金額がアンカリングされます
そして「80万」の値引きを目標にした、困ったお客が車屋に押しよせます。


これに対抗して車屋は「複雑なキャンペーン」を始めます。
具体的には、「カーナビ半額」「減税対象」「オプション無料」「特別仕様車」などを組み合わせたキャンペーンです。


複数のキャンペーンを組み合わせることにより、車の値段を安くしているように見えますが、これは単に割引き体系を複雑にしているだけです。
「全部で80万値引き」ではなく、「あれが4万8000円値引き、これが半額、これは無料、それは減税」など、複雑にすればするほど、お客の思考は停止し、合理的な判断ができなくなります。


そして「なんか沢山値引きしてもらった」と、お客はお得感すら感じます。


このように「複雑なキャンペーン」は、お客の「80万」という車屋にとって都合の悪いアンカリングを無効にする効果があります。

 


 

●時間をかける

人は、過去の投資の大きさによって、将来の投資を見誤る傾向があります。
(サンクコスト)

このサンクコストとは、会社の経営者がやってはいけない事の1つにあげられます。
例えば、事業を進めていてこれまで1000億つぎこみ、あと200億で完成という途中、「完成したとしても赤字を垂れ流す」だけの事業だと分かったとします。
合理的に考えると事業から撤退しますが、これまでつぎこんだ1000億がムダになることを恐れ、事業を続けてしまうといった過ちです。

お客から見た車購入のプロセスを例にすると「何度も車屋に行く、または車のことを調べた」といった時間を投資しているため(過去の投資)、
ここで買わなければ、時間がムダになってしまうと思い込んでしまいます。
(または、車選びが苦痛となり、その苦痛から逃れたいと思う)

そのため、車選びに時間を掛けるほど、お客は買う必要のない車を買ってしまいます。

 


 
 

●店長に相談する

人は、相手が譲歩したら、自分も譲歩しなければいけないと感じます。

車屋で必ず聞く
 「店長に値引き額を相談してきます」
 ・・・
 「特別に30万値引きになりました!限界突破です!」

車屋が譲歩してくれたら(特別に値引き)、自分も譲歩しなければ行けないとお客は思い込みます。
自分の譲歩=車の購入となります。

 


 

●「そんなに変わってないよ」と言う

人は、ものごとの損得を「絶対的な価値」ではなく、「相対的な価値」で判断します。

車のマイナーチェンジ後、車屋は「かなり変わりましたよ!」と言いセールストークを盛りあげます。
しかし、既に購入している(マイナーチェンジ前に)お客には「そんなに変わってないです」と言います。

なぜ相手によって、車の機能が「変わった」「変わってない」と違うことを言うのか?
それは、人が物の価値を判断する場合、「買った車の価値」ではなく「他人の車と比べての価値」だと、車屋は知っているからです。

つまり、マイナーチェンジ前に購入したお客が、町中でマイナーチェンジした車が走っているのを見て、ガッカリ損した気分にさせないためです。
損した気分になるとお客のお店にたいする満足度が下がり、次回の車購入に大きく影響がでます。

だから、「新しいあの車と自分の車は、同じ価値なんだ」と思わせることで、お客の車屋にたいする満足度を下げない効果があります。


 

いかがでしたでしょうか。

車屋の販促は、人間の心理をついたとても有効な手法です。

これらの手法は、別業種の営業のみならず、WEBサイトにまで応用可能な汎用性の高いテクニックではないでしょうか。

 

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プロフィール

愛知県名古屋市にあるジャスウィルで働く社員です。
ジャスウィルは大学事業に特化したシステムを提案しています。『大学向け事務・教務統合パッケージ―TriR Campus』を開発しています。