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近畿大学:生物の種の壁を乗り越えたミトコンドリアDNAの移入を確認 人為的な生物の移動が遺伝子レベルで進化に影響

2020年08月26日
 近畿大学農学部環境管理学科研究員の岡田龍也と准教授の北川忠生は、愛媛県水産研究センターの清水孝昭博士と共同で、愛媛県の久万高原町で定着している外来種のカラドジョウの一部個体が、2つの異なる近縁種のドジョウを経て二次的に遺伝子移入したミトコンドリアDNAを持つことを明らかにしました。このミトコンドリアDNAは現在生息する地域のドジョウのものではなく、遠くはなれた台湾やオーストラリアのドジョウのものと近いことも分りました。本研究に関する論文が、令和2年(2020年)8月3日(月)に、魚類学の国際誌“Journal of Applied Ichthyology”に掲載されました。

 2. 本件の内容
 ミトコンドリアは、真核生物※2の進化の過程で細胞内に寄生した原核生物※3に由来する細胞小器官であり、その名残として、生物種そのものの情報が含まれている核のDNAとは別に、母系遺伝する独自のミトコンドリアDNA(mtDNA)を持っています。そのため、mtDNAは異なる生物種の間での交雑を経て、核DNAには痕跡を残すことなく生物種に移入するmtDNA遺伝子移入という現象がまれに生じることがあります。
 コイ目ドジョウ科の淡水魚であるカラドジョウは、アジア大陸の東部に分布し、日本の水田や水路などでみられるドジョウと近縁な純淡水魚です。日本では外来種であり、1960年代に食用に輸入された中国産のドジョウに混入して侵入し、現在では日本各地に定着しています。
 本研究では、愛媛県の久万高原町で定着しているカラドジョウについて調査した結果、一部の個体が近縁種のドジョウから種の壁を乗り越えて移入したmtDNAを持っていることを明らかにしました。また、このカラドジョウに移入したドジョウのmtDNA自体が、過去に近縁な別種(シマドジョウの祖先種)から種を乗り越えて移入したものであり、2つの異なる種を乗り越えて移入してきたものであることが確認されました。脊椎動物ではまれにmtDNAが異種間交雑をきっかけとして別の種に移入する現象は報告されてきましたが、今回のように一度別の種に移入したmtDNAが、さらに別の種に移入した二次的遺伝子移入はきわめてまれな現象といえます。さらに、カラドジョウに移入したこのmtDNAは、現在生息する地域のドジョウではなく、遠く離れた台湾やオーストラリアのドジョウのものと近縁であることも分かりました。 
 このことは、ドジョウからカラドジョウへのmtDNAの二次的遺伝子移入が、輸送や水産養殖などの人為的影響による交雑を介して発生したことが示唆されます。生物の移殖などによって、本来出会うことがない種や集団同士が出会い、不自然な進化を引き起こして遺伝子レベルでの撹乱が引き起こされているという事実は、他地域からの生物の移動に対して警鐘をならす結果であるとも言えます。



【見解・感想】

 「この特異なミトコンドリアDNA移入現象は輸送や養殖などを要因とすることが考えられ、人為的な生物の移動が生物の進化にまで影響していることを示した」

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