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北里大学:新型コロナウイルスに対する消毒薬の効果を検証 日常生活におけるSARS-CoV-2感染予防に有用な製品を評価 -- 北里大学(9月1日)

2020年09月02日
 北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学I研究室戸高玲子研究員、芳賀慧特任助教、澤田成史助教、片山和彦教授は、2020年4月17日に公表した「医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス不活化効果について」に続き、市場に流通している医薬部外品・雑貨および医療現場で使用されている消毒剤の、新型コロナウイルス不活化検証試験を行い、その効果を調査、発表しました。本研究成果は、医療現場及び日常生活におけるSARS-CoV-2の感染を抑え、感染制御を確実に実行する指針となることが期待できます。本研究は、専門雑誌『感染制御と予防衛生』(メディカルレビュー社)に2020年9月1日掲載されます。

【研究結果】
1.市販雑貨品のSARS-CoV-2不活性化効果(表1)
 市販雑貨品のSARS-CoV-2不活性化効果について調査しました。市販のアルコール系消毒剤は、アルコール濃度50%以上の製品であれば30,000個の新型コロナウイルスを完全に消毒することが可能でした。またハンドソープ系、台所洗剤類、お掃除ならびにふき取り系製品においても、製品の使用方法に従って使用すれば、新型コロナウイルスを完全に消毒することが可能であることが明らかになりました。
 一方、二酸化塩素系、次亜塩素酸水系の製品は、製品の劣化がないことを確認してから、試験を実施しましたが、30,000個の新型コロナウイルスを完全に消毒することができないことが明らかになりました。

表1:市販製品のSARS-CoV-2不活性化効果 (1分間処理)※下記PDF「表1:市販製品のSARS-CoV-2不活性化効果 (1分間処理)」をご覧ください。

2.エタノールと次亜塩素酸ナトリウムのSARS-CoV-2不活性化効果
 新型コロナウイルスを30,000個含むウイルス液を、約10倍の容量の70%、50%、40%、30%の濃度のエタノールと混合して、1分間、または、10分間置き、消毒効果を調べました。70%、50%濃度のエタノールで1分間処理することで完全消毒が可能でしたが、40%、30%では消毒が不十分で、生き残ったウイルスが増殖して細胞を死滅させてしまいました(不十分)。30%のエタノールでは、10分間処理しても、消毒は不十分でした。
 次亜塩素酸ナトリウム水溶液でも、0.5(5,000ppm)、0.15(1,500ppm)、0.1(1,000ppm)、0.05(500ppm)、0.01(100ppm)の5段階の濃度の水溶液を作り、1分間および10分間の消毒処理を行いました。1分間接触では0.15(1,500ppm)以上、10分間接触では0.1(1,000ppm)以上の濃度の水溶液で完全に消毒できることが分かりました。しかし、厚生労働省が推奨する0.05(500ppm)濃度の水溶液では、10分間処理しても消毒が不十分で、生き残ったウイルスが細胞を死滅させてしまうことが分かりました。1分間で完全にウイルスを消毒するためには、0.15%(1500ppm)の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用する必要があることが明らかになりました。

3.界面活性剤のSARS-CoV-2不活性化効果
 新型コロナウイルスは、表面にあるエンベロープを壊すと、感染性がなくなります。家庭用のハンドソープや中性洗剤、洗濯石鹸の原料として使われる界面活性剤類の新型コロナウイルス不活性化効果について調べました。
 陰イオン系界面活性剤(以下「陰イオン系」という)2剤、非イオン系界面活性剤(以下「非イオン系」という)2剤、両性イオン系界面活性剤(以下「両性イオン系」という)1剤、陽イオン系界面活性剤(以下「陽イオン系」という)1剤の濃度を、0.1%、0.05%ならびに0.01%(いずれもV/V(容量%))の濃度に設定し、1分間および10分間、30,000個の新型コロナウイルスと接させ、その効果を調べました。1分間接触では、非イオン系アルキルグリコシド、は0.1%、両性イオン系アルキルアミンオキシド、陽イオン系塩化ベンザルコニウムについては0.05%および0.1%で完全消毒が可能でした。10分間接触では陰イオン系直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムは0.1%、非イオン系アルキルグリコシド、両性イオン系アルキルアミンオキシドは0.05%および0.1%、陽イオン系塩化ベンザルコニウムについては0.01%で完全消毒が可能でした。

4.医療現場で使用されている消毒剤のSARS-CoV-2不活性化効果
 医療現場での消毒の参考としていただくため、医療現場で使用されている製品の検証を行ったところ、SARS-CoV-2の不活性化効果が不十分な製品が散見され、医療機器の消毒方法の見直しが必要だと思われる結果となりました。



【見解・感想】

【まとめ】
 エタノールは、50%以上の濃度で30,000個の新型コロナウイルスをほぼ完全に消毒可能でした。次亜塩素酸ナトリウムは、十分な消毒効果を得るためには1,500ppm以上の濃度が必要でした。一般市販医療器具消毒剤は、SARS-CoV-2の不活性化効果が不十分な製剤が散見され、医療機器の消毒方法の見直しが必要だと思われました。第一報に加え、さまざまな身近な市販雑貨品について調べたところ、洗剤系の製品は、ほとんどの製品で十分な消毒効果を確認できました。本研究で得られた情報を、日常生活上、SARS-CoV-2の感染を最小限に抑え、感染制御を確実に実行するために活用していただきたいと思います。
とまとめられています。

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