マーケティング本「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」の要約
図書館をプラプラしていたら、図書館ではめずらしいちょいエ○系の表紙をした本を発見したので、早速借りてみました。
しかし、自宅でワクワクしながら見た本の内容は想像とはちがい、文字ばかりの本でした。
内容は新人OLのマコちゃんが潰れかけたイタリアンレストランを復活させるという物語形式のマーケティング本です。
せっかくなので読んでみたら、意外と面白かったので要約します。
売れている商品、サービスのマーケティング戦略は美しい。
美しい戦略とは、「ベネフィット」「ターゲティング」別化」「4P」「想い」の5項目に一貫性があり、論理的な説得力があること。
そして、内容が具体的で分かりやすいこと。
1.ベネフィット(お客様にとっての価値)
価値は使い方(TPO)で具体的に考える。
T:時間
P:場所
O:状況
朝(T),鏡の前で(P),髪を乾かす(O)
ビフォーアフターの変化が価値となることも重要な考え方。
「現場を見る」という場合の現場は、売り場ではなく消費の現場だということに注意する。
2.ターゲティング
求める価値が人によって異なるため、ターゲットを絞って考える必要がある。
ターゲットを絞るステップは大きく3つに分けられる。
・価値を具体化する(忙しい朝に、簡単に作れて、おいしいものが食べたい)
・価値を普遍化する(簡単に作れて、おいしいものが食べたい)
・普遍化した価値から、その価値を求める人を絞りこむ(食事どきに忙しい人)
「20代OL」「30代男性」「60代女性」という絞りかたは危険。
世代や職業、性別が同じでも価値が同じとは限らない。
そして、絞りこんだターゲットの選考基準は2つ「儲かるか」と「勝てるか」。
・儲かるか
市場の大きは十分か、利益は十分に得られるか。
価値は客単価に、ターゲットは客数に反映される。
・勝てるか
自社の強みを生かして、ターゲットに十分意味のある差別化ができるか。
3.強み、差別化
自社の強みは競合との「価値の差」。(性能の差ではないことに注意)
だから競合によって、自社の強みは変わってくる。まずは競合を知る。
差別化の軸は3つある。
・手軽軸:競合より早い、安い、便利
・商品軸:競合より高品質、新技術
・密着軸:競合よりお客様の「個別」ニーズに対応した密着感
3つの差別化軸から、1つの軸に特化する。
商品軸なのに低価格勝負するなど一貫性が無ければ、それは間違い。
2つの軸を同時に満たすことができるのは非常にまれなこと。
ただ、他の軸を疎かにすることではなく、平均以上を目指す。
4.「4P」
・売り物 Product(商品、サービス)
これを通じて価値がもたらされる。
・売り方 Promotion(広告、販促)
商品、サービスの価値をお客様に伝える。
・売り場 Place(販路、チャネル)
お客様に価値を届ける経路
・売り値 Price(価格)
会社に価値の対価がもたらされる
売り物、売り方、売り場で「価値」を実現する。
「売値」は「価値」の対価。
5.想い
そもそも何故そんなことをするのか?
社会にどう貢献したいのか?
定期的に売れている商品、サービスはベネフィット、ターゲティング、差別化、4Pが物語のように美しく流れ、一貫性と具体性がある。
強い戦略は美しい。
ただ、戦略(考えること)と戦術(やること)の一貫性が重要。
考えていることと(マーケター)、やっていること(現場)が違う場合に一貫性のズレが起こりやすい。
以上が要約内容です。
以下、感想。
マーケティングは一昔前、特殊なスキルだったと思いますが、今では本やネットで多くの情報が出回っていて、学んでいる人も多いのではないでしょうか。
多くの人が知れば知るほど、その知識の価値は下がると思います。
マーケティングは多くの人が学んでいるため、一昔前に比べると価値が大きく下がってきている。
しかし、マーケティングは陳腐化したのではなく不要になったわけではなく、知っていて当たり前の知識になってきているのだと思います。
「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」のような簡単な本で、知っていて当たり前の知識をサラっと仕入れておくのも吉。
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